COFFEE&CHOCOLATE vol.2

コロナ禍の中、どうにかサバイバルしたchair YOKOHAMA、それは多くのお客様と仲間のお陰に他ならない。

潰れてもおかしくなかった店が生き残ったことに感謝しつつ、それならば、さらなるチャレンジをしようと次の目標「CHOCOLATE」にターゲットを向けた。

コーヒーハウスをオープンさせた際も、特別な何か?があったわけではない。コーヒーが好きで、こんな店があったら、良いな!と思い、プランを練っていただけ、今回の「CHOCOLATE」も、そこは変わらない。そもそもWIRED「COFFEE&CHOCOLATE」のタイトルの雑誌を偶然見て、コーヒーができたならチョコもできるだろう。そんな感じだ。しかしタイミングもある。コーヒーハウスをどうにか軌道に乗せなくてはならないし、経営権もある。自分の店とは言え、その辺りをしっかりして、次のステップを待った。

パテイシエの浅見さんは自分の店でオーナーとして腕を振るっていた。コロナが爪痕を残し、閉店を決めた。そして同じ鎌倉に住んでいたボク達は街中で再会する。

世代も同じ、通っていたスイーツショップも似ている。そんな会話が続く。

「どう?」

「いやいや こんなわけでさ」

「そうなんだ、」

「まあ、週何回かアルバイトしているんだ」

「じゃあ、一緒にやらない」

そんな会話があって、この6月からスタジオでケーキを焼いてくれている。そのスタートがプリンである。

全てはプリンから始まった

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浅見さんは鎌倉から日ノ出町に毎週金曜日 来てくれてスタジオでプリンを焼く。金曜日に仕込んでくれたプリンは週末土日に店に提供される。浅見さんの仕事ぶりはプリンの試作を作る時から理解できた。とことん手を抜かない。そして綺麗好きだ。決まった場所に道具がしっかり戻されている。さらに浅見さんの帰った後のスタジオにはゴミ一つ落ちていない。金曜日にスタジオでプリンを仕込んでくれる。「週末はプリン」と店内で告知しているが、金曜日に焼き上がった途端からオーダーが入り、土曜日には完売になる。

浅見さんに恐る恐る提案してみる。

「浅見さん、チョコレート作りませんか?」

躊躇(ちゅうちょ)はなかった「やりましょう」

二人は年齢も近いし、将来の漠然とした夢を語る時間は残されていない。「いつかやりたい」という選択肢もない。「やる」、「できない」の二者択一の回答しかない。その浅見さんが「やりましょう」と即決断してくれた。

正確な日時をあえて記すと2024年6月28日の会話だ。この時が二人のスタートになったわけだ。

ボクは北原照久さんの言葉の中で生きている。

北原さんはよく口にしている「夢は多くの人に語れ!」だ。

夢は多くの人に話す。北原照久「ツキの10カ条」

夢は一人でも多くの人に話す。さらに自分のできないことは周りの人に助言を求める。ボクは助言を求めて、あまり「それはできない」と言われたことがない。もちろんその人との信頼関係がベースにあっても、常に相談できる人が周りにいる。

北原照久著「夢の実現」(トイズプランニング刊)

正確には”夢”でなく、「目標を語る。」その目標には時間を入れる「いついつまでにこれを実現する」。チョコ作ることにしても、いくら10年間ずっと温めてきた企画でも、自分では作れないので、誰か、作る人がいなくては夢物語になる。自分が正式なオーナーになった4月7日からは朧(おぼろ)げながら、輪郭が見えてきていたので、浅見さんに思い切ってアイデアをぶつけてみた次第である。

雑誌「WIRED」の記事、「ボクらはこうやってコーヒーとチョコを”ハック”した」と書かれている。ハックの意味を理解していないが、なんとなくカッコいいと憧れた(笑)

一つラッキなことも浅見さんとボクを後押ししてくれた。お客様の中にカカオを輸入している会社に勤めるYさんがいたことだ。Yさんにチョコレート作りを相談するとなんと!すぐにカカオ豆のサンプルを持って、店にきてくれた。

そのカカオ豆の写真がこちら、「焙煎前なので、殺菌されていないので、間違っても食べないでください」と固く注意を受けた。

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パテイシエ、カカオ輸入業、そして最後のパズルと向かい合うことにした。

to be continued